ゴールデンウィーク中にスイッチで1200円ぐらいでセールしていたのでやってみた。以下レビュー。
■良い点
・作りこみがきめ細かい
怪談の設定がきっちりしている。事前に調査を入念に行った上で物語を組み立てている。資料を読んでいるだけでも楽しめると思う。
時代設定が昭和で、オカルトが排除されておらず、猟奇殺人が世間をにぎわす不安定な日本を舞台にしているのも怪談とマッチしている。
・安い
定価で2000円は結構頑張っていると思う。定価で買っても金払って損したという感想は持たなかったと思う。
・ヘルプシステムが充実
サウンドノベルありがちの詰まった時の救済がしっかりしている。間違えるたびにヒントが解禁されて最後はほとんど答えのようなヘルプがでるので、基本最後まで攻略サイトを見なくてもクリアはできるだろう。
■どちらともいえない点
・普通に怖い
ホラーゲーム選んでおいて怖いということを悪い点に挙げるのはどうかと思うので、このセクションで。
ジャンプスケアも数か所出てくるのでそういうのに耐性があるのが望ましい。
特に学校のシーンはかなり怖い。ホラーゲームというよりかはサウンドノベル目的で購入する人は留意必要。
・ボリュームはやや少ない
急ぎ目にクリアすれば8時間前後といったところか。ただこれは社会人の自分にはありがたかったりする。
比較的時間があるプレイヤーにとっては物足りないかも。ゆっくりやっても2日で全ルート行ける。
ただ値段も値段なので対費用でみるとそんなに悪くない印象。
■悪い点
・ストーリー展開はシンプル
最初のチュートリアル的ストーリーと、本編ストーリーの2本から構成され、各エンディングはそこからの枝葉の様になっており、過去の選択肢を変えてエンディングを変化させる類の仕掛けはサウンドノベルとしては少なく、また変化の幅も狭い。話は一本調子で進み、印象としては決められた順番で物語を読んでいるような状態。そのため各ギミック、フラグ解除の難易度も低い。一応マルチエンディングではあるのだが、もうすこしトゥルーエンディングに幅を持たせてもよかったかも。クリア後のルートとして、解禁される3人だけでなくたとえば白石、灯野視点ルートを用意するのもありかも。その方が心理描写が深まる。
・そんなに呪い殺せない
最初のチュートリアルストーリーでばんばん殺せるので、本編もワクワクしてやるのだが、話はきれいな方向に進んでいくのであんまり呪い殺せない。実際そんなに呪詛珠を使うシーンが本編では出てこない。
・なめ鳥を集めても意味が薄い
数少ないクリア後イベントだが、幸運が訪れるかも、と匂わせする割にはストーリー上何も起きないし、隠しCGやBGMが聞ける音楽室などの隠しメニューが解除になるわけでもない。
■総評
10点中7点ぐらい。買って損はないと思うし、ストーリー展開はコンパクトながらもきちんとまとめ上げている印象を持ちました。
